合宿十日目

最終日 知床峠

佐久間亮輔

いよいよ今日で合宿最後です。最後にして最大の難所「知床峠」を登ります。みんな疲れています。そんなことは知っています。俺も疲れています。しかし登るんです。そんなもんです。
 朝食を食べていると黒田さんと田澤さんが登場。一同驚く。OBも飛び入り参加だ。来てくれることに感謝。
 荷物を郵便局から送り。いよいよスタート。よーいどん!始まってしまった。力とか残ってなかったけど、ちょっと先頭に出てみる。みんな付いて来る。長蛇だ。少し経ったらみんな抜いて行ってしまった。マイペースで行くよ。上に行くほど霧が濃くなってくる。雲の中に入る感じだ。気持ち良い。だんだんみんなと離れていってしまい、見えなくなる。なぜか、老人グループが出来る。しばらく一緒に走る。でも、抜いて行っていいですよ。最後なんですから。知床峠は面白い。走っていて走り甲斐がある。曲がっては登り、登っては曲がる。時には曲がりながら登る。きつい。楽ではない。でも面白い。頂上に近づく。あと少しだ。あっ、着いた。みんないる。着いたか。ここが頂上か。霧かかってるな。やりきったかな。出し切ったかな。すっきりした。気持ちよかった。もう登ることは無いかもしれないけど、一回くらい登るのも悪くないでしょう。一度くらい世界遺産を上から見たいものだ。みんなで写真を撮る。越智が一位だったので、越智の表彰式をする。マイヨジョーヌを貰う。このメンバーの中で一位はやっぱすごいでしょう。最後に胴上げしてもらう。おぉ〜!中々オツな経験だ。ありがたい。ありがとう。一本締めで締めて、合宿を締めくくる。みんな笑った。なぜか。でもなんとなくわかる。みんなそれぞれの次の目的地へと散っていった。まるで人生のようだ。ひとつの山を登ったら、また次の山を求めなくてはならない。走り続けるために。その過程で出会いと別れがあるんだな。次へ向かうことは大事だ。また機会があったらまたみんなで登ろうな。俺は楽しかったよ。
 三年目にしてやっと合宿のゴールすることができました。

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